「インフレ・円安・バラマキ・国富流出」

ふくおかフィナンシャルグループのチーフ・ストラテジスト(2026年5月現在)の佐々木融さんの著書です。

ドル円為替レートは、2016年から2021年まで1ドル115円前後でした。2022年に一気に150円/ドルまで円安が進み、その後も徐々に円安となり、2026年4月には160円/ドルになっていました。ゴールデンウイークの4月末に為替介入があり、155円/ドルまで円高になったものの、5月7日には156円/ドルにまで戻っています。

なぜここまで円安になったのか、日本政府の借金(国債)の問題、マイナスの実質金利、失われた30年といったトピックについて論じられており、様々な示唆が得られました。

円安になった2つの要因

佐々木氏は円安になった主な理由として、①実質金利がマイナス圏に大きく落ち込んだことと、②日本から海外へ資金流出が増加したことを挙げています。

実質金利は、金利からインフレ率(物価上昇率)を差し引いたものです。現在の金利は0.2%程度であるのに対し、インフレ率は3%程度であるため、実質金利はマイナス2.8%程度になっています。諸外国と比べると、実質金利が大幅なマイナスになっているのは日本だけです。『持っていると実質的に目減りする通貨ですから、誰も持っていたいとは思いません。』

また、円安になる構造的な理由として、日本から海外への資金流出が増加していることを指摘しています。

投資による資産防衛

日経平均は2026年5月7日に62,833円と史上最高値を記録しました。株価は、インフレーションの影響を受けていない名目の値です。インフレーションによって名目上の企業利益が上がれば、株価が上がります。

また、一般的に通貨価値が下落した国の株価は上昇します。実際、通貨価値が下落したトルコやアルゼンチンでは株価が上昇しました。

円安やインフレによって通貨価値が下落する時代においては、投資によって資産を防衛する必要性が高まっていると改めて感じました。

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